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「暖簾分け」 由来と意味、きちんとわかりますか?

昔ながらの装飾品をもじって生まれた言葉は、割と多いのですが、
今回はその中でも「暖簾分け」という言葉について着目しようと思います。
「暖簾分け」って割とよく聞く言葉ですが、
何となくの意味しか分からないのではないでしょうか?
そこで、なぜ「暖簾」なのか、その由来や意味など解説をします。

「暖簾を分ける」ってそもそも何?

デジタル大辞泉を引くと以下のように書いてあります。 商家で、長年よく勤めた店員などに新たに店を出させ、同じ屋号を名のらせる。
そのとき、資金援助をしたり、得意先を分けたりする。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
もともと「暖簾」という言葉には、店の信用・信頼・格式といった意味があります。
昔の商店の多くは入口に「暖簾」を掲げておりました。
そこに屋号や家紋などが記されている場合が多く、
今でいう企業ロゴやブランドのような形で、
暖簾を見ればその店がどんな店なのか分かってしまうのです。
場所が違えど、のれんが同じなら、同じ商品・同じサービスを受けられる。
そういった昔の商売の風習から、この言葉が生まれたようです。
この「暖簾分け」は江戸時代から始まったといわれております。
長年奉公した番頭や手代がその報酬として、本家から別家しながらも、
本家の屋号を使い、本家の仕入れや得意先の伝手を使って商売することが許されたのです。
更に、経営の危機に際したときは、本家から援助を受けることもありました。
一見すると本家に得がないように感じますが、
別家は本家に対して独立後も奉公しなければならないうえ、
何より、同じ「暖簾」で商売を行うことから、
店の格が上がるというメリットもありました。
また、近年では、暖簾を分けた一族や弟子達が相互互助のため「のれん会」と呼ばれる
協同組合化も行われるようになりました。
こういったところにも「暖簾分け」のメリットが見受けられます。

「暖簾分け」と現代の企業

現代の企業でも、「暖簾分け」を行う企業・店舗は多数あります。
その中でも有名なものとしては、2013年にカレーチェーンの店舗数でギネス世界一に認定された
カレーハウスCoCo壱番屋様のブルーム制度と呼ばれる独立支援制度です。
現在コンビニエンスストアなどで主流となっているフランチャイズ方式であれば、
外部の人間がロイヤリティを支払って店舗のオーナーになるというやり方ですが、
壱番屋様の場合ですと、オーナー候補として正社員として入社をし、
3年~10年ほど店舗での勤務を行い、必要なスキルを身につけてから独立をするという仕組みを取り入れております。
まさに「暖簾分け」のような独自の施策で、
店舗数の拡大を行っている事例ですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
「暖簾」という言葉にここまでの意味がこめられ、
今でも使われ、慣習として残ってます。
身近に使われている昔ながらの装飾品やモノの由来を調べてみると、
深い意味が込められていたり面白かったりするので、ぜひ調べてみるのはオススメです!

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